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超音波(エコー)検査

超音波検査とは

人間の耳には聞こえない高い周波数の音波を、探触子(プローブ)を用いて検査部位に発信して、跳ね返ってくる反射波(エコー)を受信し、臓器や組織の様子を画像化する検査です。
反射波(エコー)を利用しているためエコー検査ともいいます。

超音波検査は、安全で多くの情報が得られる診断能力の高い検査です。
動いている臓器や組織をリアルタイムに見ることができ、放射線を使わないため生体に害がないとされ痛みもありません。
生体に害がないので短期間に繰り返し検査を行え、胎児の診察にも用いられます。また身体のどこの部位に対しても検査ができるので、非常に多くの病気の診断に使用されています。

 

当放射線科での超音波検査

項目 検査時間
(腹部) 超音波検査 15~20分
(頚動脈) 超音波検査 20~30分
(下肢動脈) 超音波検査 45~60分
(下肢静脈) 超音波検査 45~60分
(腎動脈) 超音波検査 30分程度
(透析シャントエコー)検査 30~40分

上記表の検査を実施しています。
医師の指示に応じて診察日当日の検査も実施しています。

(※当日検査におきましては、予約の患者様を優先で検査を実施させて頂いておりますので、お待ちいただく場合がございます。)

 

1.腹部超音波検査

お腹が見えるようにして、ベッドに横になって検査を行います。
検査時は担当者の合図で息止めをして頂きます。

調べられること

腹部超音波検査では 【 肝臓 胆のう 膵臓 腎臓 脾臓 膀胱 子宮 卵巣 前立腺 】 などが対象で、それぞれの臓器の腫瘍(癌など) 炎症 ポリープ 結石などがわかります。
例えば、肝臓は自覚症状に乏しい「沈黙の臓器」と言われ、脂肪肝などの診断にはエコー検査は不可欠です。脂肪肝は受診者の約3割で指摘され、そのまま放置し悪化すると肝硬変、肝癌を発症する可能性があります。

肝機能異常  愛酒家  ポリープや胆石のある方に、おすすめの検査です。

 

正常な肝臓 脂肪の沈着した肝臓 胆石

 

2.頚動脈超音波検査

検査は首まわりを広く開襟(かいきん)して、ベッドに仰向けになった状態で左右に首を傾け行います。

調べられること

頚動脈の壁の厚さ、狭窄、プラーク(コレステロールなどのごみがたまったもの)が無いかその場でわかります。

頚動脈は比較的太い血管で、頚動脈の動脈硬化が進んでいると、脳や心臓など他の部位の細い血管の動脈硬化も進んでいると考えられるため重要な検査です。
脳梗塞 心筋梗塞 大動脈解離などの命にかかわる病気が発症する危険度を推測することができます。

生活習慣病(糖尿病 高血圧 高脂血症 高コレステロール)、脳卒中の既往 突然意識がなくなる めまいのある方に、おすすめの検査です。

 

内膜中膜複合体(IMT)の計測 血流の測定  

 

3.下肢動脈超音波検査

下半身は下着1枚になってもらい、ベッドに仰向けになって行います(観察部位以外はできるだけタオルで覆います)。

調べられること

「閉塞性動脈硬化症」など足の動脈硬化や、血管の狭窄・閉塞がないかを調べます。

閉塞性動脈硬化症は、下肢の動脈硬化が進むことにより血管が、狭窄または閉塞していきます。その影響で足先への血流が低下し最悪の場合では壊死(えし)に至ることがあります。
下肢動脈超音波検査を行うことでその原因となる血管の狭窄や閉塞を発見でき、早期に治療に継げられる重要な検査です。

歩いていてふくらはぎが痛くなる方足先がつめたくなる方足の指が紫色になる方に、おすすめの検査です。

 

プラークによる血管狭窄   血流の測定

 

4.下肢静脈超音波検査

下半身は下着1枚になってもらい、ベッドに仰向けになって行います(観察部位以外はできるだけタオルで覆います)。

調べられること

「深部静脈血栓症」など、足の静脈に血のかたまり(血栓)や、皮下の静脈がこぶのようになる「下肢静脈瘤」を調べます。

足を動かさないでいると、足の静脈に血栓ができることがあり、その血栓が肺の血管に詰まると肺血栓症という命にかかわる病気になります。この検査ではその危険度も推測することができます。
飛行機のエコノミークラス症候群などがこれにあたります。

足の血管が浮き出て見える方足がむくむ、重だるい方足が黒ずんできた方足がつることが多い方に、おすすめの検査です。

 

下肢圧迫による血流の観察  

深部下肢静脈血栓の一例

正常な下肢静脈 逆流した静脈  

 

5.腎動脈超音波検査

お腹が見えるようにして、ベッドに横になって検査を行います。
検査時は担当者の合図で息止めをして頂きます。

調べられること

腎臓の形態的異常や腎動脈狭窄の有無・血流を調べる検査です。

腎動脈狭窄症は高血圧に関わりが深い疾患です。
高血圧は日本人の3人に1人と推計されその5%に腎動脈狭窄があるとされています。心不全などを引き起こすような重症な方に限ると腎動脈狭窄は40%にものぼるとされています。
腎動脈狭窄症は自覚症状がないので高血圧などの症状から疑い、腎動脈超音波検査などの画像検査を受け早期発見につなげることが大切です。

腎機能の悪い方、 高血圧の方 に、おすすめの検査です。

 

血流の測定 腎動脈狭窄症例

 

6.透析シャントエコー検査

シャント血管が観察しやすい状態で、ベッドに仰向けになって行います。

調べられること

シャント血流量・上腕動脈血流量や血管の狭窄の有無と程度、人工血管の内腔の状態を調べる検査です

早期に血管の狭窄を発見することにより、早期に治療を実施し、閉塞の予防に継げることができます。

透析を受けられている方 が対象です。

 

血流量の測定 シャント血管の観察 シェーマ図

 

 

 

 

京都南病院 放射線科で行う検査

 

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