私たち臨床検査技師は、患者さん自身(生理検査)や患者さんから採取された血液をはじめ種々の生体材料を検査することによって、病気の診断に必要な検査データを正確に、より早く提供できるよう日々努力しています。
患者さんから採取された血液・尿・便、また関節液や骨髄液、胸水・腹水といった体液など、さまざまな検査材料が届きます。
たとえば尿検査では、腎臓・尿路系の機能評価を、便検査では潜血テストやピロリ菌など消化管疾患に関わる検査を行っています。
また血液検査では、貧血や出血傾向の有無を、生化学検査では、よく知られる血糖、脂質、タンパク質などをはじめ多くの項目を測定し、さらに免疫検査ではHB、HIVなどのウィルス感染や、自己免疫疾患の評価のための検査を行っています。
これらの検査は、患者さんの病気の診断だけでなく、経過観察、治療効果の判定、投薬量の評価にも役立てられています。
当院は品質保証施設として日本臨床衛生検査技師会から認証を受けています。
品質保証施設認証とは当院が提供する検査データが標準化され且つ検査室の品質が保証されていることを認証するものです。
感染症の原因となる微生物には、ウイルス、細菌、真菌などありますが、当細菌検査室では、細菌と真菌について検査を行っています。
感染症の原因菌を特定し、薬剤感受性試験を行うのが主な仕事です。
まず、提出された喀痰、尿、便などの検体を培地に塗り培養します。その培地に生えてきた感染症の原因となっていると思われる細菌を、確認試験などの方法を使い特定します。
薬剤感受性試験は、培養で感染症の原因菌が認められた場合に、どの抗生剤が効くのかを調べ、感染症の治療により効果的な抗生剤を選択するための検査です。
他の検査に比べると、結果が出るまでに時間がかかりますが、効果的な抗生剤の選択は、患者さんの治療だけでなく、抗生剤が効きにくい細菌(耐性菌)を生み出さないことにもつながるため、重要な検査です。
また検出された細菌を把握することで、院内感染対策にも重要な役割を担っています。
病理検査には、組織診と細胞診があります。
例えば胃カメラの際に採取された組織について、顕微鏡で観察出来る様に標本を作成した後病理医により、炎症の有無・腫瘍の有無(癌であるかないか)などが、日々診断されています。
手術で切除された組織も、詳細な観察がなされ診断されています。
また、個々の癌細胞遺伝子も必要に応じて検索し、治療薬選択の情報として提供しています。
喀痰や尿などに、癌細胞が含まれていないかスクリーニングし、悪性細胞が出現している場合には細胞診指導医により診断がなされています。
乳腺などの腫瘍に対しては、病変から直接採取された細胞について、癌の有無などを細胞診指導医とともに診断しています。
また、亡くなられた原因を検索・精査するため、剖検も行っています。
生理検査は、患者さんにご協力いただき臨床診断に必要な情報を、直接ご本人に接しながら行う検査です。
当院では以下のような検査を行っております。
緊急臨床検査士 | 4名 |
細胞検査士 | 3名 |
国際細胞学会細胞検査士 | 3名 |
二級臨床検査士(臨床病理) | 1名 |
二級臨床検査士(微生物) | 1名 |
超音波検査士(循環器) | 2名 |
超音波検査士(腹部) | 1名 |
認定輸血検査技師 | 1名 |
特定化学物質作業主任者 | 3名 |
有機溶剤作業責任者 | 2名 |
病原体の運搬包装責任者 | 2名 |
精度管理責任者 | 2名 |
臨地実習指導責任者 | 2名 |
日本糖尿病療養指導士(CDEJ) | 1名 |